全国水産試験場長会


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令和2年度全国水試場長会会長賞

令和2年度全国水産試験場長会会長賞受賞業績の概要

令和2年10月22日、東京都島しょ農林水産総合センター会議室で開催された会長賞表彰審審査委員会において、令和2年度全国水産試験場長会会長賞表彰候補として推薦された3業績の審査が行われました。その結果、いずれも全国水産試験場長会会長賞表彰を受けるにふさわしい業績であると判断され、令和2年度全国水産試験場長会全国大会(令和2年11月19日 大分市)でそれぞれ表彰され、記念講演が行われました。

北海道日本海南部海域におけるムール貝養殖技術開発と事業化に関する研究

機 関:北海道立総合研究機構 栽培水産試験場 栽培技術部 ムール貝養殖研究チーム
研究者:栽培技術部長 清水 洋平

選考理由:北海道日本海海域において、新たな二枚貝垂下養殖業を創出し、漁業者の安定収入につなげるとともに漁業者と地域による取組を進めることにより地域振興にも貢献した。このように地域とともに事業展開まで取り組み、新しい養殖漁業を定着させた本研究は今後の北海道産業に係る研究の手本となるべき事例であり、これらの成果は地域の水産業の発展に大きく貢献するものと認められる。

アサクサノリ養殖技術の開発

機 関:三重県水産研究所 鈴鹿水産研究室
研究者:主査研究員 岩出 将英

選考理由:地先に自生する希少なアサクサノリを発見したことをきっかけに、環境に合った効率的な養殖手法の確立、スサビノリの混入を防ぐための漁場利用法の具体化、さらにはDNA検査技術を用いた品質評価手法の確立など、生産から商品化(高品質化)に至るまでの一連の技術開発に取組み、三重県にアサクサノリ養殖を復活させるとともに、新たな地域水産業として定着させた。その功績は大きく、地元養殖業者からも高く評価を得ており、これらの成果は地域の水産業の発展に大きく貢献するものと認められる。


 

錦鯉の穴あき病防除に関する研究

機 関:新潟県内水面水産試験場 錦鯉穴あき病研究チーム
研究者:病理環境課長 的山 央人

選考理由:新潟県において、錦鯉輸出は増加傾向にあり有望な成長産業(H30:24億円)となっている。新潟県内水面水産試験場は錦鯉に関する魚病研究・指導を専門的に行う全国唯一の機関と言ってよく、穴あき病対策技術の開発は、中山間地の産業である錦鯉生産を下支えするとともに商品としての信用を高め、流通販売にも大きく寄与し、国内はもとより海外の錦鯉関係者にも貢献してきた。年月を要してはいるものの、現場に即した技術開発と指導実績は地方水試職員の模範となるものであることから、これらの成果は地域の水産業の発展に大きく貢献するものと認められる。