全国水産試験場長会


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令和5年度全国水試場長会会長賞

令和5年度全国水産試験場長会会長賞受賞業績の概要

令和5年10月3日、東京都島しょ農林水産総合センター会議室で開催された会長賞表彰審審査委員会において、令和5年度全国水産試験場長会会長賞表彰候補として推薦された3業績の審査が行われました。その結果、いずれも全国水産試験場長会会長賞表彰を受けるにふさわしい業績であると判断され、令和5年度全国水産試験場長会全国大会(令和5年11月16日 鹿児島市)でそれぞれ表彰され、記念講演が行われました。

閉鎖性海域における冬季の中層貧酸素発生機構の解明           -二枚貝養殖の被害防止に向けて-

機関:京都府農林水産技術センター海洋センター・研究部
研究者:副主査 舩越 裕紀


京都府久美浜湾の貧酸素水塊の発生・解消は偶発的な現象ではなく、メカニズムが存在することを明らかにした点により、将来的にこれらへの対応が可能になると期待される。また、冬の継続的な淡水供給が成層の維持と貧酸素化に影響することを明確に示した点については、久美浜湾だけではなく、環境変動(温暖化・大雨等)によって他海域でも発生し得る普遍的成果であり、地域の水産業の発展に大きく貢献するものと認められる。

愛知県海域におけるアサリ資源の減少要因と回復策に関する研究

機関:愛知県水産試験場 漁業生産研究所
研究者:主任研究員 日比野 学


愛知県の重要水産資源であるアサリ資源の減少要因について餌料環境の影響が大きいことを明らかにするとともに、砕石による漁場造成の事業化や生分解性網袋を活用した漁場管理の成果も期待されている。さらに、研究成果を漁業者へ積極的にフィードバックすることで漁業現場に浸透し、資源管理や漁場管理に活用されている。こうした一連の取組は、アサリ資源回復のモデルケースとなることが期待され、地域の水産業の発展に大きく貢献するものと認められる。

ミズワタクチビルケイソウの殺藻方法

機関:長野県水産試験場諏訪支場
研究者:支場長 川之辺 素一


外来種のミズワタクチビルケイソウはアユや水生昆虫の生息環境への悪影響が懸念されている。本種の分布拡大には遊漁者および研究者などの移動が関与していることに着目し、加熱した水道水、エタノール溶液および塩水で本種を殺藻する条件を明らかにした。得られた成果を、釣り人等向け啓発リーフレットを作成し、水産庁等のホームページで公開するなど、これまでの研究や普及をとおして地域の水産業の発展に大きく貢献するものと認められる。