全国水産試験場長会


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平成31年度全国水試場長会会長賞

平成31年度全国水産試験場長会会長賞受賞業績の概要

令和元年10月24日、東京都島しょ農林水産総合センター会議室で開催された会長賞表彰審審査委員会において、平成31年度全国水産試験場長会会長賞表彰候補として推薦された3業績の審査が行われました。その結果、いずれも全国水産試験場長会会長賞表彰を受けるにふさわしい業績であると判断され、令和元年度全国水産試験場長会全国大会(令和元年11月19日 新潟市)でそれぞれ表彰され、記念講演が行われました。

山口県日本海沿岸域における漁場形成予測技術の開発および漁海況情報配信システムの構築

機 関:山口県水産研究センター・外海研究部海洋資源グループ
研究者:専門研究員 渡邉俊輝

選考理由:本研究では操業と水温の情報を用いてマアジ、ケンサキイカの漁場予測モデルを作成し、漁場予測情報、海況日報および漁況旬報を発信する専用サイトを構築した。予測と実際の操業位置は概ね一致しており、また、サイトを利用した漁業者の評価も良好であったことから、本システムは効率的操業の支援に有効であると考えられた。こうした沿岸重要種の漁場形成予測技術の開発は、全国に先駆けた取り組みであり、これらの成果は地域の水産業の発展に大きく貢献すると認められる。

室戸岬東岸における急潮予測技術の開発

機 関:高知県水産試験場漁業資源課


研究者:主任研究員 猪原 亮



選考理由:室戸岬沖の黒潮小蛇行東進に起因する室戸岬東岸の急潮発生の関係を明らかにし、高確率で予測し広報することで、当該地区の主要漁業である定置網の被害を軽減した。また、対策をしなかった場合に想定される水揚げの減少を併せると、その被害軽減効果はさらに大きく見積もられた。これらの成果は地域の水産業の発展に大きく貢献するものと認められる。


 

放流用サケ稚魚の原虫病総合的予防技術の開発

機 関:北海道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場・内水面資源部サケ原虫病対策チーム


研究者:研究主幹・水野伸也

選考理由:本研究は、サケ放流用種苗の原虫病対策として、感染経路遮断と稚魚の抗病性向上の両面から新規予防技術を開発し、普及に努めた。特に後者の抗病性向上技術は、特許化から製品化につながり、製品の採用は北海道内に限らず、一部本州にも及んだ。これらの研究成果の活用により、健康なサケ種苗が生産、放流され、沿岸サケ資源の安定化に繋がると期待されることから、水産業の発展に大きく貢献すると認められる。