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分類 形態 生態分布成長回遊繁殖


●分類

種名 ホッケ Pleurogrammus azonus Jordan et Metz
    (カサゴ目Scorpaeniformes アイナメ科Hexagrammidae)
英名 arabesque greenling,
(キタノホッケも含めて)Atka mackerel

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●形態

体は細長い紡錘形で、尾鰭は深く二股に分かれる。
背鰭は途中で深くくびれない。
最大で体長60cm前後に達することもある。早いものでは体長25cm前後で親になる。開き干しの原料は、体長30cm前後が多い。
寿命は8〜9歳といわれる。
体色は、稚魚期から若魚期にかけてはコバルト色。未成魚期から成魚期にかけて背部が茶褐色から黄褐色のまだら模様。腹部は黄白色。雄は産卵期になると、白っぽく変色し、頭頂部と尾鰭(おびれ)先端に暗色の婚姻斑が現れる。

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●生態

・分布

 ホッケは分布や産卵期の違いから、4つのグループ(系群)に分けられると考えられています。ユーラシア大陸東岸の沿海州沿岸に分布する「沿海州系群」、襟裳岬西岸から南部千島、羅臼沿岸にかけての「羅臼〜太平洋系群」、道南日本海から道南太平洋および本州沿岸にかけての「道南〜本州系群」、そして、オホーツク海から道北日本海にかけての「北部日本海〜オホーツク系群」(以下、道北系ホッケ)です。稚内水産試験場では、網走水産試験場と共同で、道北系ホッケについて調査研究を行っています。
※平成15年度より、北海道立水産試験場では、道北系ホッケの日本海側における分布南限を、これまでの雄冬岬付近(留萌支庁と石狩支庁の境界)から、茂津多岬付近(後志支庁と檜山支庁の境界)に変更しました。


図 ホッケの系群(入江,1983を改変)

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・成長

 道北系ホッケは、満2歳で体長26〜28cm、満3歳で28〜32cm、満4歳で31〜34cmに成長します。これに比べて太平洋海域では成長が早く、満2歳で体長27〜32cm、満3歳で29〜34cm、満4歳で33〜36cmにそれぞれ達します。


・回遊

 道北系ホッケの仔魚は、12月〜1月頃、利尻島・礼文島周辺や武蔵堆などの産卵場で卵から孵化し、その後海の表層を漂いながら、日本海中央水域からサハリン沿岸やオホーツク海へ分布を広げつつ移動します。体長18〜22cmくらいになる0歳の夏から冬にかけ、水深100m前後の大陸棚上に着底し、底生生活を開始し、比較的平坦な海底付近を群をなして回遊します。1歳の冬までに、一部は生まれた日本海に戻りますが、一部はオホーツク海に残ります。オホーツク海に残ったものも、満2歳までには日本海に戻ると考えられています。その後、回遊をやめ、岩礁域に定住するようになります。


図 ホッケの生活環

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・繁殖

 ホッケの産卵期は、北海道周辺では9月中旬から12月中旬ごろで、北で早く南で遅い傾向にあります。いずれの海域でも産卵はほぼ水温15〜17℃で始まり13℃前後で盛期を迎え、8〜9℃で終了することから、緯度による産卵期のずれは産卵の適水温に関係すると考えられていますが、確かな証拠はありません。
 ホッケの雄は、卵が孵化するまで保護行動をとることが知られています。雄は産卵期が近づくと、裂け目やくぼみがある岩礁域、あるいは石と石の隙間があるところなどに「なわばり」をつくります。このころの雄の体表は白っぽく変色し、頭頂と尾鰭の先に「婚姻斑」という黒っぽい模様が浮き上がります。雄はなわばりに雌を誘い込み、卵を産ませると、腹部を接触させるように放精し、卵塊を岩のくぼみなどに押し込みます。その後雄は、近づくすべてのさかなを追い払いつつ、卵塊に口を当てて新鮮な海水を吹き付ける行動をとります。この行動は卵が孵化するまで続き、この間、雄はいっさいの餌を口にしません。


図 雄のホッケにあらわれる婚姻斑の模式図


写真 頭頂に婚姻斑が現れた雄のホッケ

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体長(body length)
 魚体をまっすぐにのばして台上に置いたときの、前端から尾びれの付け根までの直線距離のことを指します。吻端(=上顎の先端)から下尾骨と尾鰭条の間接点までの直線距離を指す標準体長(standard length)ほど厳密な尺度ではありません。

婚姻斑
 ホッケでは頭頂と尾鰭先端が斑状に変色することから婚姻斑といいますが、繁殖期にだけ現れる体色(たいしょく)を総称して婚姻色といいます。

 このページに記載されたホッケに関する情報は,「新 北のさかなたち」(北海道新聞社刊:水島敏博・鳥澤雅 監修)に掲載されたもののほか、主に北海道立水産試験場による研究成果を基にしています。

ホッケの漁業についてはこちら

ホッケに関する各種調査研究はこちら

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